何年も前になりますが、テレビで「インドでは九九をまで扱う」と紹介されていていたような気がします。
日本ではまでしか覚えないのにすごいな~、と思いつつ、までしか覚えない理由はなぜなのかという疑問を持ったので、これについて考えてみました。
結論から言えば
だと考えます。
ではここからは、上記1について詳しく述べます。
掛け算の筆算
例として、の答えを、筆算を使って求めます。
\begin{array}{rr}
&1&4\\
×&&3\\
\hline
\end{array}
この筆算は、次のような順番で計算をするはずです。
① の答えであるの1桁目であるを計算結果の1桁目として書き、2桁目であるを計算結果の2桁目に仮置きする。
\begin{array}{rr}
&1&4\\
+&&3\\
\hline
&{}^{1}&2
\end{array}
② の答えであると先ほど仮置きしたを足した結果であるを2桁目として書く。
\begin{array}{rr}
&1&4\\
+&&3\\
\hline
&4&2
\end{array}
これで、の答えがと求められたわけですが、なぜこれが「の答え」といえるのでしょうか。
その理由を、「分配法則」を用いて説明します。
分配法則とは
が成り立つことをいいます(一般には、上の式の積の順序を入れ替えたものも含めます。)。
ざっくりいえば、足してから掛ける(左辺)のと、掛けてから足す(右辺)のが同じであるということです。
この式において、とすると、は
\begin{array}{}
14×3&=&(10+4)×3\\
&=&10×3+4×3\\
&=&30+12\\
&=&42
\end{array}
となります(2つ目のに分配法則を使用しています。)。
これの2行目の第2項「」が上記①、第1項「」が上記②に対応します。
この例から
- 掛け算は、筆算を使えば、1桁どうしの数の掛け算と足し算のみで計算でき
ることを理解できるかと思います。
終わりに
話は逸れますが、掛け算の筆算は小学校、分配法則は中学校で習うため、小学校では、理由はさておき計算をできるようにしておくこと、中学校ではその理由を勉強し論理的思考力を身に付けることを目的に、学習指導要領(?)を作っているのかな?とも思いました。
ちなみに、ネットで調べてみたところ、インドでは、ではなく、まで扱うようです。
「」まで暗記することの利点は後の宿題ですね。